恋のお話:飼い主は飼い主でも犬の飼い主恋人

深田萌絵（３２）は、対等なお付き合いを望んでません。ってことに気が付いたのは、友達みたいな恋人がキツいと思うからです。




友達みたいな恋人だったら、友達でいい気がするんだよね。




細やかなコミュニケーションがあんまりよく分からないので、




恋人に望むことは、可愛がってくれること、束縛しないこと、自分の言ったことが通じているという甘い期待を捨てること、なのかもしれないです。




色んな人と付き合って、彼らの望みを叶えるため、いい女になるための努力は、私の頭に１０円ハゲができるくらいの事件だとわかってから、努力はしてません。




努力家の私が、唯一努力をしていないのが、いい女磨きです。




彼の為に、と思って掃除をしていると、掃除が間に合わないとノイローゼになり、掃除が終わる前に帰ってくればキレるし、料理を作っても料理の熱いうちにお食事の席についてくれなかったらキレる。束縛されてあげようと、メールや電話にマメになろうと努力しても、他のことに夢中になっているうちに気が付けば３時間とか過ぎていて、「お前、どこに行ってたんだ？」と怒られるハメになる。




という結果になるのが、目に見えているので恋の努力は放棄しました。



そして、悲劇はここで起こる。



犬の飼い主タイプの恋人。



私はネコなんだーーー！お手とかお座りとか、やめてくれーーー。



首に紐も付けてくれるなーーーーーー！！




お散歩は一緒に行くよりも、１人で冒険したいんだーーーー！！



危ないって言われても、木に登りたいんだーーーー！！！



っていう気持ちになって、疲れるから長続きしないんだよね。



ゆいちゃんと私が仲良くやっていけるのは、ゆいちゃんがネコを飼ってるから。



ゆいちゃんが遊びに来てる間、私はぬいぐるみと遊んだり毛づくろいしてるんだけど、ゆいちゃんは笑ってみてるんだよね。



え、ゆいちゃんと付き合えって？



その行為が無いだけで、事実上の恋人かもしれない。



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