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2015年1月10日土曜日

三十路ビューティー道:エロスとタナトス

今日は10年来の美容師さんに

「深田さんって、若い時からずーっとエロいですよね。色っぽくなりたいんですが、どうしてエロイですか?」

と聞かれた。

そうなんだよな。なんか、エロイと言われる。テレビでおふざけでやるのはいいんだけど、TPO的にそうなりたくない、事務仕事している時も言われるし。
普通のユニクロ姿でもエロイと思われることがあって、絶対にセクシーではない瞬間にもそう思われるそれはなんなんだろうと考えたことがある。

可能性の一つとしての自分なりの答え。

「私は造形美ではなくて、エロスとタナトスなのだと思う」

と、答えたら、彼女は目が点になっていた。

まあ、意味不明なんだけど。

子供の時から、死への欲求みたいなものに苛まれていて、精神的には不安定なまま大人になった。

起きたら、まず考えることは「今日は生きるのか、それとも死を選ぶのか」ということから始まって、「生きるならば真剣に生きよう」と一大決意をしてからベッドを出る。一時間くらい余裕ですぎるんです。

生きることの虚しさ、それが自己破壊衝動とか、死への欲求とかタナトスと呼ばれる状態に自分が寄っていく。

その反動で、死ぬほど頑張る。

そうすると、周囲から見ると、「ちょっと危ない人だな」とか「生きていけるの?」とか、そうやって心配をかけてしまうのです。

タナトスはエロスを惹きつける。

そして、人間といえども生物なので、タナトスに取りつかれた危うい人間を見ると種の保存欲求みたいなものが刺激されてエロスを感じるのではないかと考えています。

「え…。ちょっと分からない」
と彼女。私の話は常にくどくて申し訳ない。

例えば、公務員はあんまりエロくない。それは、国に守られて確実に老後まで生きていけるという安心感がある。それが、タナトスと逆のベクトルにその人間を導くので、エロスは刺激されない。

逆に、ちょっと危ない香がする男。例えば、自営業とかミュージシャンとか、そんな職業で生きていけるの?みたいな男に対しては、女性が本能的に刺激されるという事態です。

というと、
「あ、そういえば、そうですね」
と彼女は答えた。

「この人は死と隣り合わせなんだ」
と思った瞬間に本能がメラメラっと来る。
幸せそうで安定している異性に対しては湧いてこない何か。

思えば、「付き合って」って言う人がどーっと現れる時って、激しく人生に絶望して死にたい時。

私は残念ながら、情緒不安定なので、そういう部分にエロスを感じる人がいるのではないでしょうかという自己分析。

愛を諦めている人はエロくない。愛を求めて、絶望してる人はどこかエロい。

でも、求めているのはいつでもアガペ、無償の愛。

「深田さん、ミステリ小説やめて、そういう話書いたらどうですか?」

「やだ、恋愛小説には興味が無いのだ」

そう言って、今日も髪を切ってもらった。


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