昨日は小説を読んでくれている友達に会った。
「小説は終わっていないけど、ノリにノッテあとがきは書いた」
「本文は?」
「ついでに、授賞式の時のスピーチも書いた」
「何の授賞式よ」
「いや、ハリウッド映画化されて、レッドカーペットに呼ばれた時の英文スピーチのカッコいいやつ」
「深田萌絵、お前は相変わらずのおバカだな。君は、運だけで生きてきている。大学受かったのもたまたまだ。だから、もう少し堅実に生きなさい」
「そうですね。すみません。堅実と言えば、そろそろ東京のど真ん中から少し離れた静かな町に引っ越して、慎ましい生活をしながら執筆に集中しようかと思う」
都会の喧騒、集中できないんだよね。用事が多すぎて。
「それはいいと思う」
二作目、三作目も構想しながら書けとアドバイスを貰って、そうだな~とも思ったよ。
「恋愛小説も書け」
と言われたけど、恋愛小説はなあw
「何年も経ったのに、萌絵はまだあの人引きずってるんだね」
人生でたった一人、自分が手にしたもの全てを投げ出して追いかけた人がいた。
それだけの話。
「いい恋愛は宝物だから、心に取っておくといいよ」
彼女は物書きだけあって、いいこと言うな。
自分が本当に求めている物、20代で手に入れていたのに、分からなかったんだな。
猫と同じで、一度外の世界を見たら、「こっちも面白いかも」「こっちはどうなっているんだろう?」そう思って、気になる方向に歩いていっているうちに、迷子になって帰れなくなった。
よく見る夢で、旅行に出て楽しいんだけど、フッと「帰らなきゃ」って思う時が来る。そこから帰ろうと思って、地図を見ようと、電車を乗り継ごうと、絶対に私は家に帰れないのだ。
きっと、私の人生を暗示しているに違いない。
東京の郊外で慎ましい暮らしをしようと思ってるけど、気が付いたらLAあたりで子供産みながら英語で小説を書いているかもね。
死ぬ直前は台湾で古典翻訳とか。
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