生きることは残酷だ。
楽しい思い出すら、自分には足かせになると思い始めたのは三十になった頃だろうか。
今日は美しい湖のほとりで、全く同じことを人から言われて驚いた。
誰もが羨むような楽しい思い出も、誰もが涙するような苦難も、どちらも同じように私の心の楔となっている。
楽しかったことは忘れるしかないし、辛かったことは許すしかない。
忘れる、forgetはfor と get で出来ている。何かを得るためには忘れないといけない。
赦すという言葉は、forと giveでできている。与えるためには、許さなければ。
碧の湖畔は、徐々に霧にまみれて、山の美しさも人工の船の醜さも、消してしまった。
0 件のコメント:
コメントを投稿