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2013年11月25日月曜日

マネーのうさぎ:恐怖の契約



TPPネタで農文協ブックレットを読みました。

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ちょっと不思議な本でした。韓国人が米韓自由貿易協定に警鐘を鳴らす一冊なのは分かるけど、何故日本語訳が中国人と韓国人の共同翻訳なんだろうと内容とは関係ないところで疑問。

IMFで韓国はめちゃくちゃになったとか、FTAでまためちゃくちゃにされるとか書いてますが、アジア通貨危機以降も韓国は十分立派に成長してると思うんだけどな…サムスンなんかは日本の大企業よりもよっぽどうまくアメリカ企業と立ち回っているし、グローバル社会では英語の契約書が当たり前でローカル言語訳は参考訳というのが慣習なので、どこに的を絞りたいのかよくわかりませんでした。


間接収用といって、海外投資家が投資して作った資産を政府が間接的に押収してしまうのを防ぐ権利がFTAにあるのが問題でしたと主張されていますが、元本保証しろとかそういう訳ではなくて、外国人が投資した資産だからと言って地元の人が勝手に取っちゃダメだよって、それだけのことだと思います。

日本人がしょっちゅうホゾを噛む思いになるのが中国政府による投資対象の直接間接収用で、ビジネスが起動に乗ってきたら取り上げてしまって海外投資家の努力が水の泡ってことはしょっちゅうありました。これは中国だけじゃなくて、途上国ではしょっちゅうあります。国家がインチキするんですから、国家を越えて紛争を処理する機関に預けるのは当然といえば当然な気がします。。。

間接収用の問題は下の経済産業研究所のレポートが分かりやすいです。

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/dp/08j027.pdf

大学の時に少し勉強しましたが、アジア通貨危機の時に行われたIMFの救済措置が地元の人達よりも投資家を優遇したけど、それを受け入れられないならマレーシアのマハティール元首相みたいに資本取引規制と為替レート固定策で乗り切るという方法もあったと思う。

TPPは賛成か反対かとか単純な論争するより、日本経済にインパクトのある何を伸ばせるかを判断してそこを取る為には何を捨てるか、どこまで有利な条件を揃えたらサインして、譲れないところまで要求されたらサインしないという交渉の現場だと思うんだよね。

アメリカにしたら、TPPは着地できたらラッキー、できなかったら今までと同じで痛くも痒くもないという、いつも通りうまい戦略です。

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