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2016年1月5日火曜日

株の話:鴻海、エアー出資でシャープ買収戦略

Yahooファイナンス掲載、みんかぶに消された私の株の記事をここにコピペします。
核心を突くと消される世の中。


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産業革新機構がシャープ出資を断った理由

昨日の記事で鴻海VS産業革新機構の戦いだと書いた。

産業革新機構がシャープに直接出資をしないことを批判したのだが、元々産業革新機構はシャープへの出資を検討していた。その産業革新機構が、シャープへの直接出資が断られた経緯をご存知だろうか。

産業革新機構と言えば、ジャパンディスプレイを生み出した立役者だと言っても過言では無い。その産業革新機構がシャープの液晶に出資するとなると、自らの投資先と競合してしまう。だからこそ、水面下で交渉を進めていたところ、それが公になってしまったので産業革新機構は「シャープ、なんで漏らすんだよ」と不信感を募らせたのである。

そもそも、シャープが鴻海の出資に二の足を踏んでいるのは、「出資比率でシャープは鴻海と合意した」という、シャープが合意する以前にインターナショナルニュースを鴻海がいち早く出したからだ。ニュースによると、鴻海テリーゴウ氏はシャープ町田元会長と合意したという話を語っていたのだ。(英語のニュースだったのが、どうやら古すぎて消えたようだ)
それを見たシャープのメインバンクは、融資の条件に町田元会長含む元社長だった相談役の退任を融資の条件にするという、異例の交渉が行われたのだ。

情報はどこから漏れた?

シャープも生き残りをかけて必死なのに、産業革新機構からの出資の話を自ら漏らすとは考えにくい。だが、実はそこにカラクリがある。

日本の某国会議員と科学技術振興機構のデータが置かれているサーバーが、中国にある人民解放軍の軍事基地地下30階建てのデータセンターのなかに置かれているのだ。

国会議員のメールの内容も、科学技術振興機構がデータセンターに保管するフォトニクスポリマー技術による高性能液晶ディスプレイ研究の詳細等は、解放軍データセンターを経由して、解放軍から土地を提供されている鴻海の中国法人FOXCONNと共有されている。

鴻海は、産業革新機構がシャープにいくら出そうとしているのか、ジャパンディスプレイがどんな開発をしているのか、シャープのIGZOライセンスの詳細もよく知っている。何故なら、科学技術振興機構のサーバーが中国国土の解放軍基地内にあるからだ。

じゃあ、何故、鴻海はシャープやジャパンディスプレイを買収したがるのか。

技術は生きている。

日本の液晶ディスプレイに関する技術情報は、科学技術振興機構が北京某所にある人民解放軍軍事基地のデータセンターに設置したサーバー経由で流出している今となっては鴻海が日本企業を欲しがる理由が分からなくなった読者もいるかもしれない。

ここが技術の難しいところで設計図面や論文だけでは物は作れない。現場の技術者が培った経験やノウハウというものがあるのだ。

その経験、ノウハウを手に入れるために鴻海はシャープを買う必要がある。
そう、鴻海はシャープにはまだ技術があることを知りながら、堺工場を手に入れただけでは作れないものがある。

そして、シャープの液晶部門やジャパンディスプレイを全て手に入れないと、第10世代の次世代、11世代や12世代などの未来世代型のディスプレイ開発を手掛けるだけの技術力が無いからなのだ。

そう、日の丸系に切れるカードが無いという状況でも実はないのだ。

お得意のエアー買収

ところで、鴻海の買収案にシャープが難色を示している本当の理由をご存知だろうか。

鴻海は現金を出すとは言っていないのだ。
全ての話は、そこに尽きる。

台湾のメディアでは「鴻海に実は現金が無い」等、鴻海の大赤字の資金繰り表を流出させた記事なども散見する。台湾メディアでは無いが、金があるならどうしてサッサと現金をドカッとおかないのかと言う疑問も湧くし、東洋経済でのテリーゴウ氏の腹心林氏へのインタビューを見ても現金は出さないけど口は出すというスタンスのように見える。

知人にテリーゴウ氏に買収案のアドバイザーになってくれと頼まれた人間がいるが、彼によるとテリーゴウ氏は「空気で競合を買収せよ」というのが口癖だったというのだ。

そう現金を積まないエアー出資話にシャープが二の足を踏むのは当然なのだ。

中国法人FOXCONNは共産党の後ろ盾があるので新株発行し放題、台湾法人鴻海は馬英九の後ろ盾があるのでFOXCONNの株式と鴻海株式は交換し放題だ。これは、中国の中央銀行が原資産無しに現金を刷りまくって、米債を買い続けたあの構図、空気が空気を膨らませたあの手口とそっくりだ。

そうやって発行した新株を、テリーゴウ氏の日本法人に入れて、その株を担保に借入を起こせば、なんと資金ができる。その資金をシャープ買収の原資にすれば、鴻海は身銭を一切切ることなく日本で調達した日本人の金で日本の企業を手に入れることができるというわけだ。

こんなゲーム、金融音痴の日本人には勝ち目がないどころか、思いつきすらしないだろう。

ただし、一つだけこのゲームに負けない道がある。
それは、アメリカ政府の手口に見習うことだ。

同じ手口で中国の紫光集団がマイクロンを買収しようとしたことがある。
その時、米国政府は紫光集団に買収相当額の現金を米国内の銀行に預け入れることを要請したのだ。

それで紫光集団は二の足を踏んだ。
さすが金融立国アメリカだ。中国の手口はお見通しと言うわけだ。

シャープを本気で救うなら、日本政府が介入して外資からの買収には現金を銀行に預けるというルールを作るべきだ。マーケットに政府が介入すべきでないという意見があるだろうが、鴻海は台湾政府と中国政府が介入しているのだから、日本政府が介入してもアンフェアとは言えないだろう。

現金が無ければシャープは蘇らない。

鴻海がどれだけ現金を積むことができるか。
本当に現金を持っているのか。
そこをまずは見極めるべきだろう。

次は、ジャパンディスプレイをどうするかの判断だが、それは次にしよう。

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