中国には無数の暴力団、幇が存在する。幇は日本で言うところのなんとか組みたいなもので、違うとすれば複数の幇に同時に所属する事ができるところだ。
中国共産党、江沢民時代までは上海幇と呼ばれる幇の構成員が強かったが今は習近平によって一掃されてしまっている。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/上海幇
有名どころで四海幇や竹連幇などもある。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/四海幇
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/竹聯幇
四海幇、竹連幇は台湾青幇の配下の暴力団組織で、台湾裏社会を牛耳る暴力団『青幇』(チンパン)は数百年の歴史を持つ強固な幇だ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/青幇
語られている伝説では、青幇が最も栄えたのは上海疎開地時代、杜月生と黄金栄の時代だ。暴力団が一番儲かるのは戦争だ。麻薬、売春、武器の密売、そして諜報活動。
日本の上海侵攻が成功したのは、青幇が国民党の情報を日本軍に売ったからである。今でこそ、青幇は抗日英雄と語られているが実は彼らこそが売国奴なのだ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/第二次上海事変
青幇は決して日本軍のみを助けたのではない。彼らは日本軍を救い、共産党を救い、国民党にも協力した。
青幇が戦後絶滅したと語られているのは、国民党の情報を共産党に売ったことにより最終的に『同朋を売るのは許せない』と共産党にマシンガンで銃撃された事件があった為だ。
第二次世界大戦後、青幇は拠点を上海から香港に移動してそのまま消滅したと言われているが、実は違った。戦力の大半を失った国民党蒋介石に協力して、台湾を収めたのだ。
蒋介石は毛福梅との間に出来た息子蒋経国を嫌っていた。理由は自分が家に帰らず上海で女遊びしている間に出来たからだ。
蒋介石は蒋経国を暗殺しようと試みたが、蒋経国は暗殺を恐れてモスクワへ留学し共産主義を学んだ。元々、蒋経国は共産党だったのだが、国民党が力をつける程に共産党の監視下に置かれたので、敗戦した国民党に合流する。
しかし、蒋経国は青幇を嫌っていた。また、青幇による暗殺を恐れて距離を置いていたが、ある頃から台湾政治の実務に関わるようになる。蒋介石の孫によると、晩年の蒋介石は酷い認知症で政治どころでなかったため、長男の蒋経国が実務に携わる。モスクワで政治経済の教育を受けた蒋経国が台湾を成長に導いた。蒋経国は反蒋介石ではない事を証明するため、自分の身を守る為に蒋介石を英雄にし立てあげた。蒋介石万歳音頭はそこから始まって、万歳しなかったマイケルは11歳で政治思想犯として投獄されたという皮肉な運命だ。
蒋経国は青幇による台湾支配を嫌って、台湾人李登輝に政治を託すことを約束した直後に暗殺され、台湾政治は青幇下部組織で政治と経済を司る仁社に移行した。李登輝をしても、青幇には勝てなかった。
仁社
http://wapbaike.baidu.com/view/4617381.htm?adapt=1&
陳水扁は事実上抹殺されて、この物語は青幇下部組織仁社トップ馬英九に引き継がれていく。
続く
事件サマリー:第16回戦追記 犯罪人引渡し条約と台湾
死刑制度のある日本と逃亡犯引渡し条約を結んでいる外国は少なく、意外だが米国と韓国しかない。
無論、表上は国家とは認められない台湾とそんな条約を日本は結ぶはずもないのだ。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/犯罪人引渡し条約
今回、台湾調査局はマイケルを探して実力行使に出てきた。
ここでポイントになるのは、何故台湾当局は外務省経由で国際警察を通じて日本の警察に協力を要請せずに台湾調査局を送り込んできたのかという部分である。
彼らがそうできない理由、それはなんだったのだろうか。
深田は共謀犯になるのだろうか。
台湾最大の半導体メーカーWinnond とマイケルの関係はナゾだ。
深田の運命、本当にどうなっちゃうの?という感じです。
事件サマリー:第16回戦 逃亡犯
「エリちゃん!」
月曜朝9時。
深田はオフィスに駆け込むなり、エリを呼んだ。呼ばなくても、エリとバイトのこけししかいないのだが。
「萌絵さん、どうしたんですか?」
「マイケルが裁判の日から、全く連絡が取れない」
「エエ!!本当ですか?」
「台湾調査局には捕まってないはずなんだけど…」
とは言うものの、深田は不安だった。
「そうだ、マイケルさんの部屋の鍵を預かってますから、一緒に部屋に行ってみましょうよ。何か分かるかもしれません」
エリはそう言って、引き出しから鍵を出した。
二人はガチャガチャとマイケルの部屋に押しかけたが、部屋はもぬけの殻だった。
潔癖なマイケルらしい、シンプルな部屋は整然と整えられて髪の毛一本落ちていない。マイケルが潔癖なのは、侵入者が訪れば一目瞭然にする為だ。
「マイケルさーん!」
「マイケル!」
二人は声をあげる。
寝室にもリビングにもマイケルの姿はなく、深田は書斎に入った。
書棚には幾つものファイルが並んでいた。深田の書棚と違って本は一冊もない。マイケルは本を読まない。本を読まないのに、誰から何を聞かれても殆ど全ての質問に応えることができる。
「なんだよ、このファイル」
本も読まない書類も作らないマイケルがファイルなんて、と思って深田は好奇心でファイルを開いた。
ペラリとカイザーエレクトロニクス社の社長から陳水扁に当てられた手紙が出てきた。
『親愛なる陳水扁総統。ジョイントストライクファイター(統合打撃戦闘機)の開発を米国政府から受けて以来、私達は中国スパイや台湾マフィアからの執拗な攻撃にさらされ、特に王源慈氏の会社は危険な状態にあります。総統におかれましては、台湾国内における王氏の活動をサポートして頂きたく存じ上げます。
カイザーエレクトロニクス社、社長より』
「なんだ…これ…」
カイザーエレクトロニクス社といえば、ロッキードマーティン社の下請けでマイケルと共同で開発を行なっていた会社だ。
その会社の社長がわざわざ台湾総統に手紙を書くってどういうことだ。そして、何故その手紙の写しがここにあるんだ。
http://www.prnewswire.com/news-releases/elbit-systems-and-kaiser-electronics-selected-for-lockheed-martin-joint-strike-fighter-73910952.html
深田は不安に駆られてファイルのページを捲る。そこにはFBI被害者保護プログラムの証明書とステイトメントと書かれた書類が挟まっていた。
『-ステイトメント- 私、王源慈は、FBI被害者保護プログラムにより、氏名をマイケル・コーに変更し、米国市民になることをここに宣誓します。マイケル・コー』
ミミズがのたうったような汚いサインは紛れもなくマイケルの字だ。
「カイザーエレクトロニクスの社長から、陳水扁総統への手紙、FBI被害者保護プログラム、アイデンティティー変更の宣誓書、マイケルの妄想みたいな話はもしかして本当なの…」
深田は更にページを捲った。
旧漢字だらけの書類に台湾検察と冠されたものが見られた。深田が習った中国語は文化大革命後の簡体字で、香港・台湾で利用されている複雑字を読むことは難しいが、いくつかの漢字は日本と共通だ。
『告発者、焦祐鈞』名前に見覚えがあった。告発者は、刑事告発を行なった人間のことだが台湾語でも同じ意味だろう。
「この名前は…」
間違いなく、青幇元首領焦庭標の息子だ。
マイケルがジョイントストライクファイターの設計を行なっていた時に馬英九と組んでその設計を盗んだ張本人。
「いやいや、同姓同名かもしれないし…」
スマホで焦の名前を検索すると、百度の辞典に彼の名前が出てきた。
『焦祐鈞 台湾電電公会理事長、華邦電子社長』
華邦電子、英名Winbondと言えば、台湾最大のチップメーカーだ。そこの社長が、マイケルを刑事告発している。
http://wapbaike.baidu.com/view/3507741.htm?adapt=1&
告発状の次のページには、台湾検察の書類が挟まっていた。
『王源慈 逃亡犯』
マイケルが台湾から米国へ亡命した直後の日付で、台湾検察から逃亡犯と名指しされた書類が出てきた。
「マイケル、政治思想の違いで亡命しただけじゃないのか…?」
よりによって、告発者がWINBONDの社長だなんて、そんなバカな。
深田は血の気が引くのを感じた。
金融の世界では信用が命だ。
深田萌絵の名前で、株主から出資を受けてこの会社を立ち上げた。この会社の為に三年半で費した資金は、既に億を超えた。
その企業価値の核となる技術を開発している人間が台湾で犯罪者で逃亡犯、その名はFBIの書類でマイケルの過去の名前であることが証明されている。
「萌絵さん、やっぱりマイケルさんの行き先の手掛かり無いですね」
エリがドアの向こうから声を掛ける。
「萌絵さん?」
深田はエリに応えることができなかった。
仮に、マイケルが本当に犯罪者ならば、自分の立場は共謀犯だ。軽い罪なら台湾調査局が日本まで彼を追ってくるはずか無いし、台湾最大のチップメーカーの社長が告発するはずもない。
まずい。マイケルの技術が日本を救える技術だと信じ、その開発の為に自分の資産だけでなく、他人資本まで入れてしまったので深田の責任は重い。それだけでなく、数少ない女友達のエリまで巻き込んでいる。
「萌絵さん?」
彼女の声が響く。
「エリちゃん…」
「どうかしたんですか」
キョトンと大きな瞳でこちらを見つめるエリに深田は応えることができなかった。
もしかしたら、自分は取り返しの付かないことをしてしまったかもしれない。エリに話せば彼女にまで責任が発生する。
三菱東京UFJ銀行新宿中央支店長田中靖士による深田の銀行口座無断引き出し事件で勝ちました(^∇^)
判決文の内容を纏めると、こんな感じ。すごい難しかったから、間違ってたらゴメン!
外人と深田は別人だと一目みれば分かるでしょ。
(東京裁判所の仮差押命令悪用しちゃいけないでしょ。これは、私の気持ち)
仮差押命令受けても深田が銀行に対して訴訟を起こす権利が無くなる訳じゃ無いって考えれば分かるよね。
だから、深田さんのお金全額返しなさい。
と、こんな感じでした(^∇^)
銀行は弁護士を使い、私は弁護士無しで戦ってますが、勝てました。返ってきたお金よりも使ったお金の方が多いですが、私の名誉が回復されました!!
みんな。応援ありがとうございます。・°°・(>_<)・°°・。
ストレスで顔のパーツがおかしくなったので、エステで調整中。
昨日、証人尋問で裁判官から質問がありました。
「創立の経緯を教えてください」
でした。私の答えは、
「2011年3月11日に原発事故があり、発電所内のカメラのチップが放射線で壊れて動かなくなりました。それを解決する為に、以前から知っていたマイケル(仮名)の技術を使えば、耐放射線チップで遠隔で発電所内を監視できるカメラを作ることができると思ったからです」(ホントはもっとシドロモドロだったと思う´д` ;けど、言いたい事はこんなこと)
なんで。こんな変な会社始めちゃったのかな。それはみんなが思う疑問だよね。
2011年、バークレイズを辞めて2年ほど、FXやったりしてた。バークレイズの時は投資銀行部門だったので、辞めてから1年間は疑われない為に株からわざと離れてた。
でも、原発事故が多くの人の運命を変えたし、私の運命も変えたのだと思う。
原発内部の様子が分からないということが、最大の課題だと思ったよ。
その時、ふっと脳裏に浮上したのが、変なチップの開発者。彼が米軍向けに耐放射線チップを設計していたこと、動画をリアルタイムで無線伝送する技術を持っていることを思い出した。
そうだ、リアルタイムに原発内部と津波を監視するシステムがあれば、最悪の事態は避けられるかもしれない、そう思った。
それで、マイケルに連絡した。知り合ってから、半年ほど経ってのことだ。
最初、マイケルに一緒に会社やろうと誘って断られた。当時は国内中堅商社とマイケルはジョイントベンチャーを経営してたからだ。
でも、粘った。給料無しで仕事した。中堅商社の人より多くの資料を翻訳し、英語苦手だが通訳もした。
数ヶ月して、マイケルはようやく私と会社を一緒に始めることにした。
原発事故や地震被害で、自分に何ができるだろう?そう思った人はたくさんいるし、いたと思う。
自分に何ができるんだろう?
そう思ったところから始めたのがこの会社。だったかな。
「エリちゃん、とりあえずオフィスに戻ろう」
深田は、眩暈がする思いで几帳面に整理された部屋を後にした。
続く
2015年11月28日土曜日
三十路ビューティー道:【場外戦⒋】三菱東京UFJ支店長による横領裁判に勝った!!
三菱東京UFJ銀行新宿中央支店長田中靖士による深田の銀行口座無断引き出し事件で勝ちました(^∇^)
判決文の内容を纏めると、こんな感じ。すごい難しかったから、間違ってたらゴメン!
外人と深田は別人だと一目みれば分かるでしょ。
(東京裁判所の仮差押命令悪用しちゃいけないでしょ。これは、私の気持ち)
仮差押命令受けても深田が銀行に対して訴訟を起こす権利が無くなる訳じゃ無いって考えれば分かるよね。
だから、深田さんのお金全額返しなさい。
と、こんな感じでした(^∇^)
銀行は弁護士を使い、私は弁護士無しで戦ってますが、勝てました。返ってきたお金よりも使ったお金の方が多いですが、私の名誉が回復されました!!
みんな。応援ありがとうございます。・°°・(>_<)・°°・。
2015年11月26日木曜日
事件サマリー:【場外戦】2昨日の裁判官の質問
ストレスで顔のパーツがおかしくなったので、エステで調整中。
昨日、証人尋問で裁判官から質問がありました。
「創立の経緯を教えてください」
でした。私の答えは、
「2011年3月11日に原発事故があり、発電所内のカメラのチップが放射線で壊れて動かなくなりました。それを解決する為に、以前から知っていたマイケル(仮名)の技術を使えば、耐放射線チップで遠隔で発電所内を監視できるカメラを作ることができると思ったからです」(ホントはもっとシドロモドロだったと思う´д` ;けど、言いたい事はこんなこと)
なんで。こんな変な会社始めちゃったのかな。それはみんなが思う疑問だよね。
2011年、バークレイズを辞めて2年ほど、FXやったりしてた。バークレイズの時は投資銀行部門だったので、辞めてから1年間は疑われない為に株からわざと離れてた。
でも、原発事故が多くの人の運命を変えたし、私の運命も変えたのだと思う。
原発内部の様子が分からないということが、最大の課題だと思ったよ。
その時、ふっと脳裏に浮上したのが、変なチップの開発者。彼が米軍向けに耐放射線チップを設計していたこと、動画をリアルタイムで無線伝送する技術を持っていることを思い出した。
そうだ、リアルタイムに原発内部と津波を監視するシステムがあれば、最悪の事態は避けられるかもしれない、そう思った。
それで、マイケルに連絡した。知り合ってから、半年ほど経ってのことだ。
最初、マイケルに一緒に会社やろうと誘って断られた。当時は国内中堅商社とマイケルはジョイントベンチャーを経営してたからだ。
でも、粘った。給料無しで仕事した。中堅商社の人より多くの資料を翻訳し、英語苦手だが通訳もした。
数ヶ月して、マイケルはようやく私と会社を一緒に始めることにした。
原発事故や地震被害で、自分に何ができるだろう?そう思った人はたくさんいるし、いたと思う。
自分に何ができるんだろう?
そう思ったところから始めたのがこの会社。だったかな。
事件サマリー:第15回戦 マイケル逮捕命令
「深田様、警備の者です」
マンションの警備員が深田の部屋の扉の向こうから声を掛けた。結局、深田はインターホンに応答せずに、不審者が居ると警備員を呼んだのだ。「どうでしたか?」「男性は、深田様に書類を届けに来ただけだと仰って帰られました」
マンションの警備員が深田の部屋の扉の向こうから声を掛けた。結局、深田はインターホンに応答せずに、不審者が居ると警備員を呼んだのだ。「どうでしたか?」「男性は、深田様に書類を届けに来ただけだと仰って帰られました」
「帰った。その書類は受け取られましたか」
「いえ、そのままお帰りになりました」
「書類を持ってきて、書類を預けずに帰ったの?」
深田が確認すると警備員はこくりと頷いた。
ますますおかしい。通常なら、警備員かレセプションに荷物を預けるはずだ。
「念のため、カメラの映像を保管しておいてもらえます?」
「警察での被害届けが必要なので、一週間以内にご提出頂ければご用意できます」
警備員はそう言って戻っていった。
深田はスマホを手に取り、マイケルに事態を伝えようとするが繋がらない。
「こんな大事な時に!」
深田はもう知らないと、スマホを投げ出してソファにうつぶせた。
ジリリリン、ジリリリン
黒電話の呼び出し音に設定したスマホが鳴り出して目が醒める。知らずにウトウトしていた。
マイケルか…?と思って電話に出ると「ハロー、ニーハオ!マイケルいますか?」と女性の声がした。マイケルの元秘書のジュディだ。彼女はいま、台湾にあるマイケルの家の近くに住んでいる。
「ジュディ、マイケルは昼から連絡が取れないんだけどどうしたの?」
「いま、台北警察が来て、マイケルを逮捕したから通知書にサインしてくださいと言われて…」
ジュディは今にも消え入りそうな声を出した。
「はぁ?罪状は何?」
「罪状は10年前と同じ。白紙の逮捕状」
「ジュディ、それ、証拠に使えるからサインせずに写真に撮ってこっちに送って」
そう言って電話を切った数分後に、またジュディから電話がかかってきた。
「シェンティエン(深田)!」
「写真は撮れた?」
「それが変なの。警察に電話がかかってきて、ちょっと話した後に『マイケル逮捕は間違いでした』って言って帰っていったの」
「写真撮った?」
「警察も見切り発車がヤバいと思ったみたいで逮捕状を慌ててクシャクシャに丸めて逃げてった」
「もう、なんだったの?」
「警察官は近所の人だったんだけど、マイケルが台湾に着く深夜まで待つように台湾調査局に言われたけど、残業するのがイヤで早めに来たんだって」
「マイケルは?」
「捕まってなかったみたい。安心したら眠くなりました。おやすみなさーい」
「あ、ちょっとジュディ。待って…」
そう言ってジュディの電話はプツリと切れた。
突然いなくなる亡命中のマイケル。
突然現れて捜査する日本国内捜査権の無い台湾調査局。
残業がイヤで手抜き仕事でジュディを訪問した台湾警察。
気が済めば、勝手に電話を切る元秘書のジュディ。
「台湾人、マイペース過ぎる…」
いったい何なんだよ、と深田はクッションに顔を埋めた。
亡命してるヤツもなんだが、スパイも警察も適当過ぎる。
台湾国民党 対 深田
深田の運命やいかに…
続く
三十路ビューティー道:将棋指しさんへ
Facebookのアカウント見たら三つ将棋指しさんの名前のアカウントがあってどれが本物か分かりませんでした。
良かったら、そっちから友達申請してくださいね。
あと、一般ブログ読者さんもご自由に申請してくださいませ^ - ^
良かったら、そっちから友達申請してくださいね。
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2015年11月20日金曜日
事件サマリー:第14回戦 マイケルを捕まえろ!
アルファアイティーシステム社長、藤井一良からの訴え、第一回期日が始まった。
法人取引だったのに、藤井は私とマイケルを個人で訴えてくるという卑怯な手段を取ってきていた。
「法人取引だろうが」
契約書を読み返しながら深田は裁判所へ向かう準備をしていたが、肝心のマイケルの姿がない。
「エリちゃん、マイケルまだだよね?」
「いま、マイケルさんと電話中です」
エリは受話器を深田に渡した。
「マイケル、遅刻するよ。どこにいるの?」
「弁護士が行くから俺は行かなくていいだろ?」
「だったら私も行かなくていいよね?」
裁判所なんて、できれば行きたくない。
「ダメだ。殆どの弁護士は顧客を敵側に売るから、裏取引されないようにお前は出席しろ。あと、傍聴席に注意しろ」
そう言って、電話はプツリと切れた。
深田はガチャンと受話器を置き、
「いざという時に逃げ出す上司どう思う?」
とエリを振り返ると、
「逃げない上司を見た事ありません」
と彼女は答えた。
タクシーで裁判所に向かうと、あまりの汚なさに驚いた。古ぼけたコンクリートの建物にリノリウムの床、ドラマで見る大理石にステンドグラスの建物とは大違いだ。
傍聴席には3人の男が既に座っていた。
一人は梶原利之、一人は部下の宮西弁護士、もう一人は見覚えの無い男だった。
小綺麗なグレーのスーツにシルバーのピンバッジをしていた。弁護士のピンバッジは金色の菊の御紋なので、見知らぬ紋章だ。
万年筆に虫眼鏡のモチーフは企業のロゴマークデザインにも見えない。日本の家紋の辞典でも見た事が無い形状だ。
『おかしいな…』
深田は美大の頃にロゴデザインの授業に潜ったり、紋章学の授業に潜ったりしていたが、ロゴでも家紋でも無い奇妙な気分に取り憑かれた。
「深田さん、アルファアイティーシステムは法廷へ入ってください」
鈴木書記官の声で深田は我にかえる。森川紀代弁護士は先に被告席に着席していた。
第一回口頭弁論は次回期日を決めるだけの簡便なもので、ドラマのように弁護士同士が激論を交わすこともなく拍子抜けした。(因みに裁判で弁護士が激論を交わすのを、未だかつて見た事は無い。恐らく書類文化の日本人がまともに討論できるなら、外交もうまくいっていたはずだ)
帰り道、タクシーを拾ってエリに電話した。彼女だけが心の支えだ。
「萌絵さん、どうでしたか?」
「いや、次回期日決めただけで、数分で終わった」
「変な人、来てませんでしたか?」
「変な人はいなかったけど、変なバッジの人はいたね」
「どんなバッジですか?」
「あとで絵にして送るよ。とりあえず、気疲れしたから帰って寝るわ。あとよろしく」
「お疲れ様でした」
電話を切った後、深田はサラサラと虫眼鏡と万年筆のバッジの絵を描いてエリとマイケルに送った。
自宅に戻り、ソファに横たわるとマイケルから電話が入った。
「万年筆と虫眼鏡は台湾調査局のバッジだ」
「台湾調査局?」
「そうだ。台湾の諜報機関。青幇の戴笠が設立した。馬英九はまだ俺を探している。藤井がコンタクトしたんだろう」
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/戴笠
「台湾調査局ってこんなバッジ?」
「表向きは違う、裏任務のバッジはそれだ。俺はしばらく東京には入らない」
そう言ってマイケルの電話は切れた。
「超自分勝手なヤツ…」
深田はスマホを置いて目を閉じた。
とにかく、疲れたのだ。
ピンポーン
とインターホンの音で目覚めた。
窓の外は真っ暗だ。時計を見ると既に六時。
ピンポーン
慌ててインターホンの画面を見ると、スーツ姿の男が茶封筒を持って立っている。
「え?誰だろう?」
深田はあまりインターホンに応答しない。変な勧誘だったら嫌だからだ。
ただ、男は宗教の勧誘にも、集金にも見えない。小綺麗なスーツ姿なのだ。
「あれ?」
スーツの胸元に見覚えのあるピンバッジが付いている。万年筆に虫眼鏡。
深田はサッと顔色を変えた。
マイケルを追っている台湾調査局?
なんだ、これ、
藤井一良は早稲田大学時代に偶然知り合っただけの友達じゃなかったのか。
ハーフチャイニーズだとは聞いていた。
その彼が、マイケルの設計を盗み、旧友を訴え、ファーウェイを使い、台湾調査局まで派遣してくるって、いったい何なんだ。
こっちは金も権力もない個人だ。
相手が国家だなんて冗談じゃない。
正気になれ、
猫パンチで戦車と闘ってるようなものだぞ、深田萌絵。
この勝負、絶対に勝ち目はない。
深田の運命やいかに…
続く
法人取引だったのに、藤井は私とマイケルを個人で訴えてくるという卑怯な手段を取ってきていた。
「法人取引だろうが」
契約書を読み返しながら深田は裁判所へ向かう準備をしていたが、肝心のマイケルの姿がない。
「エリちゃん、マイケルまだだよね?」
「いま、マイケルさんと電話中です」
エリは受話器を深田に渡した。
「マイケル、遅刻するよ。どこにいるの?」
「弁護士が行くから俺は行かなくていいだろ?」
「だったら私も行かなくていいよね?」
裁判所なんて、できれば行きたくない。
「ダメだ。殆どの弁護士は顧客を敵側に売るから、裏取引されないようにお前は出席しろ。あと、傍聴席に注意しろ」
そう言って、電話はプツリと切れた。
深田はガチャンと受話器を置き、
「いざという時に逃げ出す上司どう思う?」
とエリを振り返ると、
「逃げない上司を見た事ありません」
と彼女は答えた。
タクシーで裁判所に向かうと、あまりの汚なさに驚いた。古ぼけたコンクリートの建物にリノリウムの床、ドラマで見る大理石にステンドグラスの建物とは大違いだ。
傍聴席には3人の男が既に座っていた。
一人は梶原利之、一人は部下の宮西弁護士、もう一人は見覚えの無い男だった。
小綺麗なグレーのスーツにシルバーのピンバッジをしていた。弁護士のピンバッジは金色の菊の御紋なので、見知らぬ紋章だ。
万年筆に虫眼鏡のモチーフは企業のロゴマークデザインにも見えない。日本の家紋の辞典でも見た事が無い形状だ。
『おかしいな…』
深田は美大の頃にロゴデザインの授業に潜ったり、紋章学の授業に潜ったりしていたが、ロゴでも家紋でも無い奇妙な気分に取り憑かれた。
「深田さん、アルファアイティーシステムは法廷へ入ってください」
鈴木書記官の声で深田は我にかえる。森川紀代弁護士は先に被告席に着席していた。
第一回口頭弁論は次回期日を決めるだけの簡便なもので、ドラマのように弁護士同士が激論を交わすこともなく拍子抜けした。(因みに裁判で弁護士が激論を交わすのを、未だかつて見た事は無い。恐らく書類文化の日本人がまともに討論できるなら、外交もうまくいっていたはずだ)
帰り道、タクシーを拾ってエリに電話した。彼女だけが心の支えだ。
「萌絵さん、どうでしたか?」
「いや、次回期日決めただけで、数分で終わった」
「変な人、来てませんでしたか?」
「変な人はいなかったけど、変なバッジの人はいたね」
「どんなバッジですか?」
「あとで絵にして送るよ。とりあえず、気疲れしたから帰って寝るわ。あとよろしく」
「お疲れ様でした」
電話を切った後、深田はサラサラと虫眼鏡と万年筆のバッジの絵を描いてエリとマイケルに送った。
自宅に戻り、ソファに横たわるとマイケルから電話が入った。
「万年筆と虫眼鏡は台湾調査局のバッジだ」
「台湾調査局?」
「そうだ。台湾の諜報機関。青幇の戴笠が設立した。馬英九はまだ俺を探している。藤井がコンタクトしたんだろう」
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/戴笠
「台湾調査局ってこんなバッジ?」
「表向きは違う、裏任務のバッジはそれだ。俺はしばらく東京には入らない」
そう言ってマイケルの電話は切れた。
「超自分勝手なヤツ…」
深田はスマホを置いて目を閉じた。
とにかく、疲れたのだ。
ピンポーン
とインターホンの音で目覚めた。
窓の外は真っ暗だ。時計を見ると既に六時。
ピンポーン
慌ててインターホンの画面を見ると、スーツ姿の男が茶封筒を持って立っている。
「え?誰だろう?」
深田はあまりインターホンに応答しない。変な勧誘だったら嫌だからだ。
ただ、男は宗教の勧誘にも、集金にも見えない。小綺麗なスーツ姿なのだ。
「あれ?」
スーツの胸元に見覚えのあるピンバッジが付いている。万年筆に虫眼鏡。
深田はサッと顔色を変えた。
マイケルを追っている台湾調査局?
なんだ、これ、
藤井一良は早稲田大学時代に偶然知り合っただけの友達じゃなかったのか。
ハーフチャイニーズだとは聞いていた。
その彼が、マイケルの設計を盗み、旧友を訴え、ファーウェイを使い、台湾調査局まで派遣してくるって、いったい何なんだ。
こっちは金も権力もない個人だ。
相手が国家だなんて冗談じゃない。
正気になれ、
猫パンチで戦車と闘ってるようなものだぞ、深田萌絵。
この勝負、絶対に勝ち目はない。
深田の運命やいかに…
続く
2015年11月18日水曜日
事件サマリー:第13回戦 追記 サービス貿易協定と衛星攻撃兵器
馬英九が習近平の為に締結した両岸サービス貿易協定はブラックボックス協定だと、識者から批判を浴びた。
台湾の国民党議員の親戚に、10代の非武装学生に対して武力行使とか酷いねと話すと、「彼らは左翼に洗脳された可哀想な子供たちだ」と答えた。
そう、台湾においては中国共産党は右、保守は左になってしまったのである。それに気が付いた台湾ローカルメディアでは、共産党のことを右翼と揶揄するようになった。
さて、サービス貿易協定だがネットで検索してもサッパリ内容が出て来ない。調べに調べて、何度も検索すると、なんてこったい、サービスのスペルをワザと書き換えているのだ。serviceをserciveと直している。ようは、日本の原発事故の後、某団体が原子力の力をカタカナのカに書き換えたのと同じ手口だ。
↓ココです。w
http://www.ecfa.org.tw/sercivetradeagreement1.aspx
この協定の内容を見ると、サービス貿易協定の中身の18ページに中国に百パーセント差し上げますというサービス業の内容で危険なものが混ざってます。
台湾での第二塁電信事業とはインターネット関連事業です。
1)存伝網路服務 保存及び伝送ネットワークサービス
2)存取網路服務 保存及び検索ネットワークサービス
これを抑えられたら、台湾でのネットの自由は程なくして中国の実効支配下になります。
こんな危険な協定に日本政府の無関心もなかなかすごいものです。
あと、中国の衛星攻撃兵器ですが、米国政府はこれにはキレまくってます。
(英語だけど、読んでみてね❤︎)
http://www.bloomberg.com/news/articles/2011-10-27/chinese-military-suspected-in-hacker-attacks-on-u-s-satellites
衛星攻撃兵器は電磁パルス攻撃で、電子系統を壊して機能不全にさせる攻撃方法も持っているようです。
http://s.ameblo.jp/fukadamoe/entry-11925403029.html
この電磁パルスミサイルですが、北朝鮮も対日用途て開発しているので、電磁パルス攻撃対応型の移動型データセンターを設計している人も少なからずいます。
事件サマリー:第13回戦 ネットワーク網完全制御戦争
オフィスに入ると、台湾語と中国語のアナウンスが流れてる。マイケルが腕組みして目を瞑り、台湾の政治番組を聴いてるのだ。
以前、マイケルに聴いたことがある。どうして、台湾に帰らないのかと。彼は、自分が馬英九の軍事技術密輸事件の証人だから、国民党が政権である限り台湾に入れば殺されてしまうと答えた。
以前、マイケルに聴いたことがある。どうして、台湾に帰らないのかと。彼は、自分が馬英九の軍事技術密輸事件の証人だから、国民党が政権である限り台湾に入れば殺されてしまうと答えた。
マイケルは毎朝台湾の政治番組を観ている。口には出さないが、国民党政権が野党となり、台湾に帰れる日を待っているのだ。
「分かった」
マイケルが唐突に口を開いた。
「分かったって、何が?」
「中国共産党の狙いだ。日本のネットワークを完全に制御して、データセンターにある日本の情報を全て中国に流出させることだ。早く外事警察に届けてくれ」
「ハァ?また突拍子も無い事言わないでよ。また中央警察で精神病患者扱いされるのイヤよ」
深田は冷たく突き放した。
「このニュースを見ろ」
パソコン画面には、台湾の学生が向日葵を掲げて「ブラックボックス協定反対」と行進する姿が見えた。二国間協定の内容詳細が公開されてないので、反対しているようだ。
「台中サービス貿易協定反対運動がどうかしたの」
台湾と中国の間では、サービス系の仕事を自由に行うことができるという協定を結ぼうとしている。それに台湾学生は反対しているのだ。
「意味が分からないか」
「サービス貿易協定で台湾人の仕事が無くなるから反対してるんでしょ」
「そうじゃない、馬英九が台湾国内のネットワーク構築、ネットでの検索、データセンターの仕事を全て中国に移管する作戦で、ネット上の言論統制から個人情報を全て中国に統制される」
「ちょっと待って、日本の大企業のサーバーって、コスト削減で台湾のデータセンターに移管してるよね」
日本は土地や電気代が高いので、隣国の台湾にデータセンターを置く企業は増えている。特にフリーメールのサービスを行なっている企業は台湾のデータセンターを利用するケースが多い。
「中国の狙いは、台湾のデータセンターにある日本と台湾のデータを全て中国に持って行くことだ」
「そんなの通信回線に負荷が掛かり過ぎて無理でしょう」
「だから、台湾中国間で海底ケーブルを設置した直後の今のタイミングでこの協定を結ぼうとしてるんだ」