ネコのサブリナは女の子です。
目つきは悪いですが、優しいのでうりぼう達といつも仲良く遊んでいます。
同じネコ仲間のミッシェルとはあまり遊びません。だって、ミッシェルときたら本当に余計なことばかりを言ってみんなを怒らせるものだから、サブリナは口も聞きたくないのです。
ところが、サブリナがうりぼうから足を滑らせて落ちた瞬間のことです。ミッシェルが喜んで飛んできて、
「サブリナはネコのクセにうりぼうに爪を立てないから落ちるんだよ!」
と囃したてました。
サブリナは、
「うりぼうちゃんに爪を立てたら、自分は助かってもうりぼうちゃんが怪我するじゃない!」
と怒りました。
サブリナはとっても優しいですね。それなのに、ミッシェルと来たら、
「なんだよ、そんな目つきのクセに、優しいオンナぶるなよ!」
「なんですって!そんなに爪を使って欲しけりゃ、あんたに使ってやるわ!」
優しいサブリナもさすがに激怒してミッシェルに掴みかかりました。
「もっとやれー」
「サブリナ負けるなー」
うりぼうの兄弟たちは喜んでケンカを観戦しています。
でも、ついにはイノシシのお母さんが出て来て、
「いいかげんにしないと、私のツノで串刺しにするわよ!」
とどなりました。
ミッシェルとサブリナはピタッと止まりました。
自分たちは、爪があってもただのネコ。イノシシにはかないません。
サブリナは一人でお部屋に帰るときに後悔しました。相手が悪いって言ったって、挑発に乗った自分がバカだったかもってね。
サブリナはもえちゃんに、どうしてミッシェルなんかとお友達なのって、聞きました。
もえちゃんはこう答えました。
「大人になったら、ケンカできる友達いなくなるから必要なんだよ」
って。
ー友達って仲良くやるほうがいいんじゃないの?
と、いつも気を使ってばかりのサブリナは思いましたが、確かに本気で怒れる友達ってミッシェルしかいないもんねとも思いました。
「ミッシェルに謝ろうかな…」
サブリナはつぶやきました。
「謝ったら、余計にムカつくし、どうせあいつは覚えてないから、サブリナも忘れたらいいんじゃない?」
サブリナは聞いた自分がバカだったと、また思いました。
でも、友達ってそんなもの。
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